アンバサダーというプロジェクトでは、ウクライナの各著名人に、彼らにとってのウクライナの街について語ってもらう。
第十話では、歌手でバンドグループ・オヌーカのリーダーであるナータ・ジジチェンコが、壮大でいろんな顔をもつウクライナの首都・キーウを案内してくれる。
このプロジェクトの設立者であるボフダン・ロフヴィネンコは、ナータと共にこのモダンな街を作り上げている人達に会いに行く。
ペトリキウカはその名の通り、ペトリキウカ村で生まれた伝統的な民俗装飾芸術である。昔、ここに暮らしていた人々は自宅の壁、家財道具、楽器にペトリキウカを描いていた。現在、より様々なものにペトリキウカが描かれており、ウクライナのシンボルとなっている。さらに、2013年にはユネスコの無形文化遺産に登録された。このユニークなデザインは伝統的な道具であるコティヤーチカ(「猫の毛」の意)を使って、多くの画家によって描き続けられている。
プリピャチ市は、明るい展望と恐ろしい結果の実例である。この町はすでに30年間放射性物質によって汚染され、放棄されている。今日、プリピャチ市は、伝説として語り継がれると同時に陰鬱な風景の地域、そして自然の勝ち誇る地域なのだ。同時に、それは世界レベルの都市型ミュージアムになる可能性を秘めた、巨大な人災の記念碑である。プリピャチ市の元住民達の中には、誰もが少なくとも一度は、この場所を訪れるべきだと確信している人達がいる。この町を訪れ、そして新たな「ゴーストタウン」が地球上に現れないように生きていくために。
ザカルパッチャ州に位置するヘンバ山にまるで磁石のように観光客を惹きつける場所が2013年に現れた。地元の人達はその場所の成功の秘訣についてずっと分かっていなかった。このチャヨヴニャ(ティーショップ)はまだメディアでも取り上げられておらず、お店の写真もどこにも掲載されておらず、広告を出すような新しくお客さんを獲得するようなこともしていない。しかし、その場所を知っていて雪道を旅してたどり着く人や、吹雪や雷雨の中でたまたまこの店を見つけた人が、山頂に位置するアットホームな雰囲気をもつこの店を訪れるのだ。
国立トゥズリ潟湖公園は、ドナウ川とドニステル(ドニエステル)川の間にある13の潟湖から成り立っている。この潟湖は、多様な生物を生み出す豊かな資源があることから「黒海の産院」とも呼ばれる。この保護区には沈殿槽を作る動きもあったが、数年前に、環境学者が問題を真剣に受け止め、この場所の自然を回復させる作業を始めた。
バコタとは、ポジッリャという地方のカムヤネツィ・ポジリシキー市の近くの、水の底に沈んだ村である。現在は、その壮大な景色と静寂さにより有名だが、半世紀前にはそこには村があった。強力な水力発電所用貯水池を建設するために、数百もの家族が自分の家から追い出され、村は水の中に沈められたのである。バコタの元村民であるタラス・ホルブニャクさんは当時27歳だった。今、彼は当時住んでいた場所でツアーガイドをしている。
カルパチア地方に位置するヴィホダ村では、3,500人が住んでおり、またその村にはとある面白いトロッコ列車が、100年以上に渡って今も保存されている。木材輸送のために作られたそのトロッコ列車は、二度の世界大戦を生き延び、その所有者を変えて伝えられてきた。現在では、工業用だけではなく、観光用にも使われ、路線の周りではインフラ開発が活発的に行われている。